チームの命運を左右する4強のキーマン。高校サッカー選手権第100回大会を制するのはどこだ? (2ページ目)
その青森山田に準決勝で挑むのが、3度目のベスト4進出にして、初の決勝進出を目指す高川学園である。
今大会の高川学園と言えば、「トルメンタ」に代表されるセットプレーが注目の的だが、テクニックがある選手を各ポジションにそろえており、中盤でのつなぎからフィニッシュへと持ち込む攻撃も大きな武器となっている。ともに今大会3ゴールを決めている、FW中山桂吾、MF林晴己がその中心にいることは間違いない。
だが、高川学園の劇的な勝ち上がりを振り返ったとき、貴重な働きを見せているのが、左サイドバックを務めるレフティー、DF山崎陽大である。
高川学園に値千金のゴールをいくつももたらしたセットプレーにおいてはキッカーを務め、精度の高いボールを入れているのはもちろん、攻め上がってのクロスも非常に質が高い。
質の高いクロスは、もちろん直接ゴールが生まれれば言うことなしだが、相手が嫌がるスペースを狙うことでCKを獲得することにもつながっている。限られたチャンスを効率よく得点に結びつけられるかどうかは、彼の左足にかかっていると言ってもいいだろう。
同じく左利きの選手に注目したいのは、関東第一。ここまで2ゴール2アシストのレフティー、MF肥田野蓮治が攻撃の中心的役割を担っている。
肥田野は身長180cmと大柄ではあるが、ボール扱いに優れ、主戦場とする右サイドから巧みなカットイン、あるいは虚をつくクロスなど、多彩なプレーでチャンスを作り出している。テクニック重視で強化を続けてきた技巧派集団にあっても、存在感は絶大だ。
関東第一は4回目の出場にして初のベスト8進出どころか、一気にベスト4まで勝ち上がってきた。その牽引役となっている背番号10がボールを持ったとき、ピッチ上で何かが起こるに違いない。
関東第一と準決勝で対戦するのは、同じく初のベスト4進出を果たした大津である。
過去には、優勝候補として選手権に臨んだことが何度もある大津だが、不思議なほどベスト4には縁遠く、なかなか準々決勝の壁を破れずにいた。出場18回目にして、ついにたどり着いた準決勝だ。
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