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高卒がいい? 大学経由がいい? 福田正博が説くプロサッカー選手のキャリア形成の考え方

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

福田正博 フットボール原論

■Jリーグの来季プロ入りする選手が各クラブから発表されている。青森山田高校の松木玖生選手のFC東京入りが話題となったが、近年は大卒選手の活躍も目立っている状況だ。プロで活躍するには、高卒がいいのか、大学経由がいいのか。福田正博氏に解説してもらった。

大学サッカーからJ2、J1を経て、現在はセルティックでプレーする古橋亨梧大学サッカーからJ2、J1を経て、現在はセルティックでプレーする古橋亨梧この記事に関連する写真を見る<大卒選手でも海外移籍が可能な時代>

 青森山田高校の松木玖生選手が、来シーズンからFC東京に加入することになった。高校生のJクラブ入団が話題として取り上げられたのは久しぶりだったが、2021年のU-22日本代表に名を連ねる彼のポテンシャルを考えれば、それも納得できる。

 松木選手は高校1年の頃にはもう体ができあがっていて、ユースサッカー界では抜群の存在感を放ってきた。それもあってか当初は高校卒業後の進路を欧州に見定めていたようだが、Jクラブで腕を磨いてからステップアップしていくことに変更したという。

 クレバーな選択をしたなというのが率直な感想だ。欧州に挑戦するのはJリーグで成長を遂げ、結果を残してからでも遅くはない。

 出場機会がどの程度まで確保されるかわからない欧州に慌てて行くよりは、しっかりとJリーグでステップを踏んでから海外移籍をしてもらいたい。松木選手がどれだけ試合に出場し、どういう成長曲線を描いていくのか楽しみでもある。

 高校卒業のタイミングは、プロに進むための最初の分岐点だ。高卒でプロの門戸を叩くほうがいいのか、それとも大学サッカーを経験してからがいいのか。いまの時代は大学サッカーのレベルが高い。高校時代に松木選手のような特別な存在でないならば、大学を経由してからプロに進んでも遅くはないと思う。

 18歳から22歳くらいの選手にとって、もっとも重要なのは試合を数多く経験することにある。試合のなかで見つかった課題に、練習で改善に取り組み、次の試合で成果を試す。このサイクルが成長につながっていく。

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