ドイツやスペインと同様、川崎フロンターレの栄華は終わりを告げてしまうのか
当時、ドイツは世界最強の名をほしいままにしていた。
2014年にワールドカップを制したドイツは、2016年ユーロでもベスト4進出。優勝には届かなかったが、内容的に見れば、優勝候補にふさわしいサッカーを見せていた。同年のリオデジャネイロ五輪でも、決勝で地元ブラジルにPK戦で敗れはしたものの、銀メダルを獲得している。
そして迎えた2017年、次世代を担う若手が覇を競うU-21ヨーロッパ選手権で優勝。同時期に行なわれたコンフェデレーションズカップでも、ドイツは実質Bチームの編成で臨みながら圧倒的な強さでメキシコやチリを蹴散らし、あっさりと優勝をさらってしまった。
ワールドカップ優勝メンバーが健在なうえ、彼らを脅かさんとする戦力が続々と台頭。そんな状況に、ドイツの黄金期はしばらく続くかに思われた。
ところが、である。翌2018年のワールドカップで、ドイツはグループリーグ敗退という結果に終わる。
すると、今年行なわれたユーロでも、グループリーグこそ1勝1敗1分けでどうにか突破したものの、決勝トーナメント1回戦でイングランドに完敗。長期黄金時代を予感させたのも束の間、凋落傾向に歯止めをかけることができずにいる。
同じことは、1998年ワールドカップと2000年ユーロを連覇したフランスや、2008年ユーロ、2010年ワールドカップ、2012年ユーロと3連覇を果たしたスペインにも言える。
彼らは次々にタイトルを獲得してもなお、奢ることなく、次世代の育成にも力を入れていた。事実、世界に名をはせるような若きタレントが後ろに控えていた。
だが、その後の低迷はご存知のとおりである。
なぜ歴史は繰り返されるのか。
サッカー史にその名を残すような強いチームは、フランスならジダンやアンリ、スペインならシャビやイニエスタといった、スペシャルな存在がいてこそ成り立つものだったということなのだろう。ドイツにしても、エジル、ミュラー、ケディラ、ボアテングといった世代は、やはり特別だったということだ。
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