三笘薫と田中碧の抜けた穴はどうなる。20歳ウインガーが強烈なインパクト
夏の海外移籍は、もはやJリーグの風物詩だ。今夏も多くの日本人選手が海を渡った。
ヴィッセル神戸の古橋亨梧はスコットランドのセルティックに移籍し、早くもゴール量産の朗報を日本に届けている。横浜F・マリノスのオナイウ阿道(→トゥールーズ)、サンフレッチェ広島の川辺駿(→グラスホッパー)、サガン鳥栖の林大地(→シント・トロイデン)も海外移籍を決断した。
そして川崎フロンターレからは、田中碧(→デュッセルドルフ)と三笘薫(→ブライトン経由サン=ジロワーズ)という東京オリンピックにも出場したふたりが欧州挑戦を選んでいる。
昨年は期限付き移籍でカターレ富山でプレーした宮城天この記事に関連する写真を見る 当然ながら、欧州クラブからお声がかかるのはチームの主力である場合がほとんどだ。古橋とオナイウは今季の得点ランクの上位を争っていた日本代表FWであり、川辺にしても、林にしても、広島と鳥栖に不可欠な戦力だった。
もちろん、川崎のふたりも同様だ。田中は攻守のつなぎ役として、三笘は違いを生み出せるウイングとして、昨季から続く"最強川崎フロンターレ"の要と言える存在だった。
主力が抜ければ、チーム力の低下は避けられない。それでも、神戸は大迫勇也(←ブレーメン)、武藤嘉紀(←ニューカッスル)、ボージャン・クルキッチ(←無所属)と大型補強を実現し、古橋の穴を補って余りある戦力を手にしている。横浜FMにしても杉本健勇(←浦和レッズ)と宮市亮(←ザンクトパウリ)を獲得し、戦力値は下がっていないだろう。
鳥栖は直接的に林の穴を補えたとは言えないが、白崎凌兵(←鹿島アントラーズ)ら各ポジションに即戦力を迎え入れ、こちらも選手層はむしろ厚みを増した印象だ。広島だけはやや心もとない補強にとどまっているが、主力流出のダメージを食い止めるべく、それぞれのチームは迅速な対応を見せている。
川崎もマルシーニョ(←重慶両江)というブラジル人アタッカーを補強した。だが、その実力は未知数で、ひとりでふたりの穴を埋めることは難しいだろう。そもそも同時に主力がふたりも抜けてしまうのは、過去のJリーグを見ても稀有なケースであり、そのダメージの大きさは計り知れないものがある。
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