「J2降格」危険水域は7チーム。アフターオルンガに苦しむレイソルの救世主は?

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 シーズンも半分以上が過ぎ、ここから現実味を増して迫ってくるのが、降格の恐怖だ。川崎の強さが際立つ今季は、昨季はなかった残留争いが後半戦の大きな焦点となることは間違いないだろう。

 降格のなかった昨季を除いた過去10シーズンの平均残留ライン(15位のチームの平均勝ち点)は36.1ポイント。1試合あたりでは1.06ポイントが必要となる計算だ。これを今季の現状に当てはめれば、1.1ポイントの清水エスパルス(現在13位)が残留ペースのおよその基準となる。

 中断期間に7試合をこなすG大阪が、どれだけ勝ち点を積み上げるかにもよるだろうし、4チームが降格する今季は、残留ラインがさらに下がる可能性も考えられるが、現状では14位の湘南以降の7チームが危険水域に入っているということになる。

 その7チームのなかで、意外と言えるのが柏レイソルだろう。J1に復帰した昨季はオルンガという驚異のゴールハンターの存在もあり、7位と躍進。そのオルンガが抜けた今季には小さくない不安もあったとはいえ、ネルシーニョ体制3年目を迎えたチームには組織の成熟が備わっていたはずだった。

 ところがオルンガの穴は、やはり簡単には埋まらなかったようだ。開幕から結果を出せず、第9節から3連勝と復調したかに見えたが、第12節以降は1分7敗と8試合勝利から見放された。新外国籍選手の合流遅れやケガ人が多く生まれた影響もあったとはいえ、第22節を終えて勝ち点20で15位。1試合あたり0.91ポイントしか獲得できていない状況だ。

 4連敗となった第19節の浦和戦後には、それまでケガで離脱していた瀬川祐輔が、外から見ていた印象を「みんなが気持ちよくサッカーしていない。迷いながらサッカーをしている」と語り、同じく故障明けだった戸嶋祥郎も「強度が低いのは感じていた」と振り返っている。

 彼らのコメントを聞いてもチーム状態がよくないのは明白で、次の湘南戦ではアディショナルタイムの大逆転劇で4−2と勝利したものの、続く横浜FM戦では早い段階で数的優位に立ちながらも1−2と敗戦。どことなく降格するチームにありがちな、嫌な空気感が漂っていた。

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