「まさかウズベキスタンで塩サバが」。川崎フロンターレの選手たちがACLのホテル生活を現地報告 (5ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by (C)KAWASAKI FRONTALE

日本から持ってきた食材は膨大(左=脇坂泰斗、右=旗手怜央)日本から持ってきた食材は膨大(左=脇坂泰斗、右=旗手怜央)この記事に関連する写真を見る 異国の地で日本と同じ環境を作り出すことはなかなか難しいですけど、食事も含め、スポンサーの方々のサポートが充実しているおかげで、僕らはサッカーに集中できている。それだけ期待されていると思いますし、応援されていると思うので、やっぱり結果を出して恩返ししなければいけないという気持ちは強くなります」

 谷口が「チーム川崎で戦っている」と言っていた意味を、より深く理解させてくれる長谷川の言葉だった。

 コロナ禍になってからは感染症対策を徹底してきたことから、選手たちが向かい合って食事をする機会はなくなっていた。だが、ウズベキスタンのホテルには円卓しかなかったことから、席を間引きつつもテーブルを囲んで食事をしているという。

 マネージャーの清水は「みんな久々だからか、感染症対策に気を遣いながらも、なかなか席を立とうとしないんですよね」と笑う。それには長谷川も強くうなずいた。

「食事会場くらいしか、みんなとゆっくり話ができないので、本当にくだらない話から、サッカーの話まで、たわいのない時間をすごしています。食事会場でみんなと話す時間が、ストレスのはけ口になっているというか、発散できる瞬間というか。ついつい食事が終わったあとも、しゃべっていますね」

◆川崎フロンターレ、ACLぶっつけ本番遠征の舞台裏。谷口彰悟「最悪のケースや環境も覚悟していた」>>

 選手、スタッフ含めた総勢55人でウズベキスタンに乗り込み、中2日の過酷な日程を戦っている。そこには全員で戦い抜く一体感が生まれていると同時に、食事での何気ないひと時がチームワークを高めているのだろう。

 ACLのグループステージを戦い終えた時、きっと、川崎フロンターレはさらに一体感を増し、そして強くなっている。

(つづく)

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