J序盤戦の新戦力評価。近年流行りのJ2→J1「個人昇格組」が今季も大暴れ (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo News

 レノファ山口で2年、ジェフユナイテッド千葉で1年とJ2を経験した山下は、今季鳥栖に新加入。開幕スタメンの座を勝ち取ると、これまで全6試合に出場(うち5試合先発)し、得点ランキング7位タイとなる3ゴールを記録している。J2時代から積極的にゴールへ向かう姿勢は際立っていたが、それが早くも実を結んでいる印象だ。

 同じ鳥栖のMF飯野七聖も、山下に負けず、鳥栖に不可欠な戦力となっている。

 一昨季ザスパクサツ群馬入りした飯野は、1年目はJ3で、2年目の昨季はJ2でプレー。今季鳥栖に加わったばかりだが、攻守両面で右サイドを幅広くカバーする様子は、初めてJ1でプレーするとは思えないほどだ。ふたりの新戦力に引っ張られるように、チームも4勝2分けの無敗と絶好調で、堂々3位につけている。

 鳥栖同様、個人昇格組の活躍が目立つのは、浦和レッズである。

 今季、FC琉球から移籍加入のMF小泉佳穂が全6試合に先発出場。同じく栃木SCから加入のMF明本考浩も全6試合出場(うち4試合先発)と、ふたりの個人昇格組が主力としてピッチに立ち続けている。

 大卒ルーキーのMF伊藤敦樹も全6試合に出場(うち5試合先発)しており、ピッチ上の"新鮮度"はかなり高い。鳥栖とは対照的に浦和は13位と苦しんでいるが、新戦力の伸びしろをチームの成績にもつなげたいところだ。

 また、3勝3分けの無敗で5位につける好調・サンフレッチェ広島にあって、最終ラインを支える貴重な働きをしているのが、DF今津佑太だ。

 ヴァンフォーレ甲府でJ2を3シーズン経験した今津は、今季広島に加入。これまで5試合出場(うち4試合先発)と、主力が固定されがちだった広島のDFラインに新風を吹き込むどころか、ポジションを確保してしまいそうな勢いだ。

 少し変わったところでは、C大阪のFW加藤陸次樹が、途中出場のジョーカーとして貴重な働きを見せている。

 今季、ツエーゲン金沢から移籍加入した加藤は、先発出場こそないものの、全6試合に途中出場。デビュー4戦目には、持ち味である背後への飛び出しから、待望のJ1初ゴールも記録した。

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