2021.04.08

三笘薫の超絶ドリブルを細かく分析。水沼貴史が指摘する最大の強みとは?

  • 篠幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Kishiku Torao

今やJリーグトップクラスの選手として、毎試合のプレーぶりが注目されている、川崎フロンターレの三笘薫。あのするする抜けるドリブルは、なぜ成功しているのか。かつての名アタッカー、名ドリブラーだった解説者の水沼貴史氏に、三笘のプレーを分析してもらった。

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 三笘薫には、まずスケールの大きさを感じますね。体が大きい上に(178cm、71kg)、あれだけのスピードとテクニックを持ち合わせている選手はなかなかいません。

毎試合の好プレーが見る者を沸かせている、三笘薫 彼を一躍スターにした要因の一つが、コロナ禍による昨シーズンからのレギュレーションの5人交代制でしょう。川崎フロンターレの鬼木達監督による積極的な選手起用のなかで、彼は自分のリズムを掴んで、大きく成長したのだと思います。

 そして、彼のプレーがまだ知れ渡る前に、一気にすごいところまで行ってしまった印象です。相手チームが、これからどう対策を練ろうかと考える頃には、もう遅かったという感じでしたね。

 今シーズンは、まだ昨シーズンほどのインパクトは与えられていません。例えば第5節ヴィッセル神戸戦は、内容としては低調でした。対峙したのは三笘と筑波大学でチームメイトだった山川哲史。彼は三笘を相当意識していたはずで、センターバックの菊池流帆とふたりでの対応を相当練っていたと思います。

 今後は、確実にこうした対策をされてくるでしょう。ただ、それでも100%止めることができないというのも、三笘のすごさですね。

 彼のドリブルにフォーカスする前に、まず三笘には2つの特徴があると思っています。

 一つは、ファーストタッチがとにかく巧みな点。足元に止めることもできるし、動きながら前に止めることもできるし、浮いた球もスムーズに自分の間合いに持っていくことができる。

 ドリブラーは相手との間合いをすごく気にします。自分の間合いになれば、自分の形で抜けるもの。この点で三笘がすばらしいのは、ボールを受けるタイミングで相手に詰められて自分の間合いではなかったとしても、巧みなファーストタッチでかわし、自分の間合いを取り直せるところなんです。