識者5人が「J1全順位」をガッツリ予想。川崎を上回る優勝候補が出た (6ページ目)
現状維持も王者・川崎の優位は動かない
Bクラス以下は皆、降格の可能性を秘める大激戦
杉山茂樹氏(スポーツライター)
1位 川崎フロンターレ
2位 鹿島アントラーズ
3位 横浜F・マリノス
4位 名古屋グランパス
5位 ガンバ大阪
6位 FC東京
7位 セレッソ大阪
8位 サンフレッチェ広島
9位 浦和レッズ
10位 清水エスパルス
11位 ベガルタ仙台
12位 大分トリニータ
13位 サガン鳥栖
14位 ヴィッセル神戸
15位 北海道コンサドーレ札幌
16位 横浜FC
17位 柏レイソル
18位 徳島ヴォルティス
19位 アビスパ福岡
20位 湘南ベルマーレ
昨季覇者の川崎フロンターレは、補強を積極的に行なったわけではない。さらなるチャレンジより、現状維持を優先した格好だ。2位との勝ち点差は昨季(18点差)より詰まるだろうが、逆転は難しいと見る。他チームと基本的な部分で、大きな差が存在する。
鬼木達監督は昨季、ただ勝とうとしたわけではない。交代枠(5人)をほぼフルに使いながら、勝利を追求した。その結果、誰が出場しても戦力は落ちない状態にある。"経験"という名の貯金は今、どのチームにも勝る。
追走する一番手は、昨季スタートを大失敗して5位に甘んじた鹿島アントラーズ。このチームも層が厚い。FWエヴェラウドというJリーグ屈指の本格派ストライカーもいる。絶対的な存在ではないが、大崩れしない。高位安定型というチームカラーは健在と見る。
12位(2018年)→優勝(2019年)→9位(2020年)と、過去3シーズン、上がったり下がったりをしている横浜F・マリノス。アンジェ・ポステコグルー監督の4シーズン目は、昨季(9位)より上昇するだろう。成績のみならず、攻撃的サッカー度でも川崎に先を越された屈辱を、どこまで晴らすことができるか。
名古屋グランパス、ガンバ大阪、FC東京、セレッソ大阪までがAクラス候補。サンフレッチェ広島以下がBクラス候補になる。
Cクラスは存在しない。4チームが降格する今季、Bクラスはその可能性を秘めたチームの集団という意味になる。多くのチームが降格の危機にさらされている。
浦和レッズ、ヴィッセル神戸といった"金満クラブ"も例外ではない。大きなクラブほど慌てる。大きく足を踏み外してしまう可能性も......。
降格候補に変わりはないが、昨季より状況がいいように見えるのは、ミゲル・アンヘル・ロティーナを新監督に迎える清水エスパルス。大量失点する癖が解消されれば、自ずと順位は上がるだろう。
しかし、攻撃的サッカーを標榜したピーター・クラモフスキーからロティーナへの交代は、哲学的に筋が通らない。長い目で見ると危うい選択に見える。
オルンガがチームを去った柏レイソル、昨季後半に負けが込んだ横浜FC、常にギリギリの戦いを強いられている湘南ベルマーレは、徳島ヴォルティス、アビスパ福岡という昇格組ともども苦しい展開を強いられそうだ。
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