イニエスタかオルンガか、それとも...。Jリーグ月間MVPを独自選考! (6ページ目)

  • photo by Matsuoka Kenzaburo

強さが目立つ川崎で家長の"匠の技"が見られた

浅田真樹氏(スポーツライター)

1位 家長昭博(川崎フロンターレ)
2位 谷口彰悟(川崎フロンターレ)
3位 オルンガ(柏レイソル)
4位 レオナルド(浦和レッズ)
5位 古橋亨悟(ヴィッセル神戸)

 再開後のJ1では、川崎の強さばかりが目立つ。逃げ切りあり、逆転ありと、試合展開に左右されない勝ち方も、圧倒的な強さを感じさせる。

 7月は(8月の2試合も含めて)ひとつの引き分けもない8連勝だったのだから、その間のMVPは当然、川崎から選ばれるべき。そうは思うのだが、どこに力点を置くかで誰を推すこともできるので、逆に選考が難しい。

 そのなかで最初に名前を挙げたのは、家長である。

 今季から4-3-3を採用し、幅をつくって間を取る攻撃が威力を発揮している川崎にあって、家長はその中心にいる。時に右サイドに開き、時に中へ絞り、周囲と連係しながら、ほかの選手の特長もうまく引き出す"匠の技"は出色だ。彼自身のプレーもさることながら、ひとつの駒としても、8連勝に不可欠な存在だった。

 もうひとり川崎から挙げたのが、谷口。川崎のサッカーはセンターバックにあらゆる面で高い能力を求めるが、新キャプテンは攻撃の組み立て、相手のカウンターを防ぐ力強い守備など、すべてを高いレベルでこなしていた。

 ほかにも、大島、脇坂、田中など、川崎には推したい選手が数多いが、ひとまず今月のところはふたりにとどめた。

 チーム成績とは別に、単純に個人のパフォーマンスに目を向ければ、やはりオルンガは外せない。試合数と同数のゴールを挙げているだけでも特筆に値するが、点の取り方を見ても規格外のプレーが多く、強いインパクトを残している。

 レオナルドもまた、インパクトという点では引けを取らない。点を取ることを最優先にしたプレーの選択には、驚きと面白さがある。チーム総得点11の浦和にあって得点ランク2位(6ゴール)につけるのだから、ただ者ではない。

 そして最後の5人目は、古橋。とにかくボールがない時の動き出しがいい。イニエスタという頼れる相棒の存在は大きいにしても、裏を取る技術はJ1随一だ。

 言い換えれば、あれだけチャンスがあるのだからもっとゴールが多くてもいいはずだが、コンスタントにチャンスがつくれているのは成長と好調の証だろう。

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