フロンターレに「穴」はないのか。魔の時間帯より唯一の不安要素は・・・ (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 ほぼ勝負の行方が決した後半途中からは、旗手怜央、宮代大聖と若手を次々に投入。余裕があるから選手を試せるし、経験を積ませることもできる。ハードスケジュールの今季は総力戦が求められるが、川崎は結果を出しながら、チームの底上げにも取り組めているのだ。

 ほかにも守田英正、車屋紳太郎、齋藤学と日本代表経験がある実力者がベンチに控え、大黒柱の中村憲剛、今季3得点の長谷川竜也も、ケガからの復帰に向けてコンディションを整えている。

「全員が考えを理解したなかでサッカーをやってくれていると思っている」

 鬼木監督が言うように、誰が出ても変わらないサッカーを実現できる基盤が、今の川崎には備わっているのだ。すでに圧倒的な強さを見せながら、さらに伸びしろが残されているとは、恐ろしいかぎりである。

 唯一、不安要素を上げるとすれば、過去のデータだろうか。

 昨年のFC東京は12試合負けなし、2018年のサンフレッチェ広島も9試合負けなしだったが、ともに最終順位は2位に終わっている。2015年の浦和レッズは19試合負けなしの記録を作ったが、こちらは年間順位で3位だった(この年は2ステージ制)。川崎にとっては看過できないデータだろう。

 もっとも、「落とし穴を見つける」と息巻きながら、結局データ頼みとは。穴があったら入りたい......。

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