2020.08.10

フロンターレに「穴」はないのか。
魔の時間帯より唯一の不安要素は・・・

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 30分過ぎあたりにややボールを持たれる時間帯もあったが、しっかりとブロックを築いて相手に隙を与えない。ここでも際立つのは、ポジショニングのよさだ。素早くスライドして常に詰められる状況を生み出す。ボールを回すだけで必死の大分がむしろ、追い詰められているように見えたほどだった。

 川崎に隙が生まれると思っていたのは、後半立ち上がりの15分。過去8試合で、この時間帯にもっとも失点しているからだ(と言っても3失点のみだが)。

 しかし、この日の川崎はこの"魔の時間帯"を無難にやり過ごすと、その後はほとんどハーフコートマッチのような展開で、敵陣で試合を進めた。攻め込みながら追加点こそ奪えなかったものの、「落とし穴」の「お」の字も見えないほどのパーフェクトゲームで、破竹の8連勝を達成した。

「連戦のなかでしっかりと選手が結果を出してくれたこと。スタートからいい形で得点を重ねていったこと。最後まで失点をゼロに抑えたこと。これは評価できると思うし、次につながると思っている」

 鬼木達監督は非の打ちどころのない完勝劇を、そう振り返った。ただし、こうも付け加える。

「欲を言えば、3点目。選手にも言いましたが、そこまで行ければよかった」

 たしかに指揮官が言うように、内容的には2点では物足りない。一方的だった後半に1点も奪えなかったのは課題だろう。決定力不足に泣き、3連覇を逃した昨季を踏まえれば、今後に向けての不安材料と言えるかもしれない。

 もっとも、これもすでにリードしている状況なのだから、「落とし穴」というよりも、ちょっとした「段差」にすぎないか。

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 むしろ驚きなのは、選手層の厚さだろう。この日は快進撃の立役者だった家長昭博と山根視来を欠きながら、クオリティは大きく変わらなかった。代わって入ったジオゴ・マテウスは及第点のパフォーマンスを示し、三笘は先制ゴールを奪う活躍を見せた。