湘南vs札幌ではっきり見えた。
コロナ禍のJ1はクラブ格差を明確に示す (4ページ目)
交代枠が増えたことによって、戦略変更やそれに応じた選手起用がより重要になるという見方もあるだろう。いわば、監督の手腕が問われる、というわけだ。
しかし、どんなに優れた戦略であろうとも、それを実践できる駒がいなければ、机上の空論に過ぎない。監督がやれることには、チーム事情に応じた限界もある。
時計を1日前に巻き戻せば、現在首位の川崎フロンターレは柏レイソルとの試合(3-1で勝利)で、それまで先発出場していたMF大島僚太、MF田中碧をベンチに置き、逆に控えだったMF守田英正を先発させた。
大島、守田はA代表、田中は五輪代表選手である。その豪華さに、際立つ選手層の厚さを感じずにはいられない。
ペトロヴィッチ監督は達観したようにこう語る。
「札幌は資金力のあるチームではなく、代表選手がベンチにいるようなチームではない。(田中、金子、高嶺ら)大学を出た新卒の選手たちがここまでよくやっている。そういう選手を育てながら、チームとしてさらに成長させていきたい」
今季J1は4カ月以上に及んだ長期中断が明け、ようやく再開にこぎ着けた。だが、例年とは別の意味で、厳しく難しいシーズンになる。それは、誰もがわかっていたことではあるだろう。
再開からわずかに3節を消化したばかりの現在、早くもその兆候は見えている。
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