レイソル「怪物不在」で勢い激減。
ネルシーニョが描く今後のビジョンは

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 いつもは野太い声援や鳴り物で騒がしい柏レイソルのゴール裏も、この日ばかりは静かだった。

 聞こえてくるのは選手の声と、ボールを蹴る音、そして、ボディコンタクトの際に生じる痛々しい音のみだった。

開幕戦で大活躍したオルンガは不発に終わった開幕戦で大活躍したオルンガは不発に終わった 約4カ月ぶりに再開されたJ1リーグは、普段は聞くことのできない生々しいサウンドと、普段とは異なる静寂に包まれた。新鮮でありながらも、物足りない。なんとも不思議な空間だった。

 観客不在の異様な雰囲気のなかで行なわれた柏とFC東京の一戦。しかも、久しぶりの実戦である。「前半は両チームともに硬さが目立ち、ボールが落ち着かない展開だった」(FC東京・長谷川健太監督)のは致し方なかっただろう。

とりわけ、その影響をもろに受けたのはホームチームのほうだった。4カ月前の開幕戦で北海道コンサドーレ札幌に4-2と快勝を収めた勢いはそこにはなく、スタジアムの雰囲気と同様に、静かな戦いに終始した。

 もちろん外的要因だけではなく、迫力を欠いたのには、いくつかの理由があっただろう。そのひとつに挙げられるのが、大黒柱のクリスティアーノがメンバーから外れたことだ。

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