いじられ監督とやんちゃな選手たち。2012年優勝の広島は底抜けに明るかった
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第8回:2012年のサンフレッチェ広島
開幕前の下馬評は、おそろしく低かった。なかには降格候補に挙げる識者もいたほどだ。
無理もない。
J1優勝を喜ぶ森崎兄弟、佐藤寿人、そして就任1年目の森保監督 2006年途中より指揮を執り、サンフレッチェ広島に魅力的な攻撃スタイルを植えつけたミハイロ・ペトロヴィッチ監督が2011シーズンをもって退任。2012年、広島の新たな指揮官に就任したのは、監督経験のない森保一だったからだ。
Jリーグ黎明期の広島を支えたクラブのレジェンドであり、ペトロヴィッチ監督の下でコーチを務めた経験もある。U−20日本代表やアルビレックス新潟でもコーチとして実績を積んだ。情熱的で生真面目な性格は指導者向きとも言えた。
だが、いかんせん監督としての能力は未知数。43歳の青年監督に多くを期待するのは酷と言えた。
加えて、当時の広島は財政的な問題を抱えており、戦力補強もままならなかった。前年のチーム得点王だった李忠成(→サウサンプトン)が欧州移籍したのをはじめ、多くの外国籍選手やベテランがチームを去った。
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