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新生アントラーズ、昨季とは180度転換。
ザーゴが考える戦術の片鱗を見た (7ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by Getty Images


「このサッカーはボランチがキーになるので、攻守においては常にバランスを取って、攻撃時はサイドバックが高い位置を取れるようにすることを求められている。ボールを奪うところでもチームを助け、攻撃の起点にもなれるように、パスの精度を上げていきたい」

 サイドからの攻撃とゴール前での精度もまた、練習での積み重ねでしかない。その前提となるベースを作っていくのが、CBとボランチである。後方を担う「3枚のトライアングル」が機能しなければ、サイド攻撃も、ゴール前での迫力も、損なわれることになる。

 犬飼が言った。

「ボランチやSBが勝負できるパスを出すのがCBの役目だと思うので、1本のパスやサイドチェンジもトライしていきたい。チャンスは作れていたので、あとは決め切るところも。こういうサッカーに挑戦していくなかでは、うまくいかなかったり、今日みたいなゲームはあると思う。でも、そこに焦れずに突き詰めていくしかない」

 今、鹿島は生みの苦しみの一歩を経験している。時間がかかるかもしれないし、いくつものハードルとステップが待っていることだろう。

 だが、それを抜けた先に、新たなる鹿島の姿と形が見えてくる。

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