2020.01.23

来日の夢が叶ったベガルタ仙台
シマオ・マテは「地下鉄に驚いた」

  • 井川洋一●構成・文 text by Igawa Yoichi
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

Why JAPAN? 私が日本でプレーする理由

ベガルタ仙台 シマオ・マテ(1)

Jリーグは今年28年目を迎える。現在は、じつに多くの国から、さまざまな外国籍選手がやってきてプレーするようになった。彼らはなぜ日本でのプレーを選んだのか。日本でのサッカーや、日本での生活をどう感じているのか? この連載では、彼らの本音を聞いていく。

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 はちきれんばかりの肉体が生み出すバネと執拗なマーキングを武器に、2019年シーズンのベガルタ仙台を最後尾から支えたシマオ・マテ。

ベガルタ仙台でプレーする、モザンビーク出身のシマオ・マテ 1年目は序盤戦こそ適応に時間を要したが、初夏の訪れとともに先発に復帰すると、6月はチームの全勝に貢献してJ1月間MVPに選出された。

 以降は不動の存在となり、終盤戦には腕章を巻くリーダーのひとりに。最終成績は24試合3得点──ゴールはすべて、筋肉と軸の強さを感じさせる、ヘディングで奪った。ファンとメディアから、それぞれベガルタのシーズンMVPに選出されている。

 険しい表情で敵に睨みを利かせ、時に激しく仲間を鼓舞する闘将然とした姿も見ていたため、インタビュアーはその人物像をあれこれと想像していた。気難しい無口なタイプだったら、少しは質問も変える必要があるかな、と。

 けれど、それは杞憂にすぎなかった。柔らかな陽射しに恵まれた11月下旬の仙台で、約束の場所に現れた31歳のCBは、終始鷹揚な笑顔をたたえていた。

 対話はもともと、彼の出身地モザンビークの公用語であるポルトガル語で予定されていたのだが、「英語を話しますか?」と聞くと、「まったく問題ないよ」と返答。「そっちのほうが直接話せるからいいよね」とニコニコしながら言い、通訳の方にも「大丈夫」と目配せをした。