横浜F・マリノス躍進の要因を分析すると
川崎が優勝を逃した理由もわかる (2ページ目)
新しい時代の流れに対応できなかった。川崎が3連覇を逃した一番の理由だろう。ただ、これは川崎に限った話ではない。記録に目を通せば、多くのチームが外国人枠の変更に対応できていなかった実態が浮き彫りになる。
前節(第33節)にスタメンで先発出場した外国人選手(外国人枠、提携国枠及び在日枠)の多い順に並べてみた。
6人=横浜FM
5人=北海道コンサドーレ札幌
4人=鹿島アントラーズ、清水エスパルス、名古屋グランパス
3人=セレッソ大阪
2人=浦和レッズ、ヴィッセル神戸、ベガルタ仙台、サンフレッチェ広島、ジュビロ磐田
1人=FC東京、川崎、大分トリニータ 、サガン鳥栖、ガンバ大阪
0人=湘南ベルマーレ、松本山雅
交代出場を含めると以下のようになる。
6人=横浜FM、札幌
5人=鹿島、清水
4人=名古屋
3人=FC東京、神戸、C大阪、広島、磐田、仙台、鳥栖
2人=川崎、浦和、松本
1人=大分、G大阪
0人=湘南
出場した外国人の数と成績が必ずしも一致するわけではないが、クラブが優勝を狙おうと、どれほど熱を入れているかを示すバロメーターにはなる。
横浜FMの場合、シーズン半ばにFWのエジガル・ジュニオが故障。するとエリキとマテウスを獲得した。この補強が結果的には奏功した。横浜は第24節、名古屋に5-1で大勝すると、そこから現在まで10戦で勝ち点を28ポイント積み上げている。2人の加入はそれとほぼシンクロする。
とりわけ左利きの左ウイング、マテウスが4-2-3-1の左に収まると、横浜FMの攻撃にはいっそう深みが増す。仲川輝人(右)とマテウスのそれぞれ大外を突くサイドアタックにより、攻撃の破壊力は飛躍的に上昇。チームは10試合で28点(1試合あたり2.8点)を記録している。それ以前の23試合は37点(1試合あたり1.6点)だったので、その差は一目瞭然だ。
このマテウス、エリキに限らず、横浜FMの外国人選手は期待に応えた。今季から加入したGK朴一圭とCBチアゴ・マルチンスは、チームが攻撃的サッカーを謳う中で、最後尾で能力の高さを発揮。MVPは欧州のチャンピオンズリーグ級クラブでも通用しそうなチアゴ・マルチンスで決まりではないだろうか。
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