2019.09.14

国籍は関係ない。菊原志郎が
「個の育成」で追求する周囲を助けるプレー

  • 鈴木智之●取材・文 text by Suzuki Tomoyuki
  • photo by Sportiva

広州富力足球倶楽部ヘッド・オブ・ユースアカデミー・コーチング
菊原志郎インタビュー(3)

 日本で育成年代の指導に20年以上携わり、2018年から中国の広州富力に活動の場を移した菊原志郎。Jクラブのアカデミー(東京ヴェルディ、横浜F・マリノス)と日本サッカー協会が管轄するJFAアカデミー、年代別日本代表(U-15~U-17)と、日本のトップレベルの子どもたちの育成をしてきた経験から、日本サッカーの育成は今後、どのようにすべきだと考えているのだろうか?

日本でも中国でも同じコンセプトで選手を指導し続ける菊原志郎「日本サッカーはJリーグができて、トレセンなども整備されてきて、ある程度、こうすれば、これぐらいにはなるという基準はできました。それは20年以上、継続してきたことの成果だと思います。年代別代表も世界大会でベスト16、ベスト8まではコンスタントに行くようになりましたよね」

 菊原は日本サッカーの育成が良い方向へ進んでいることを踏まえて、こう提言する。

「まだまだやれることがあると思っていて、ひとつは人間性の向上にスポットライトを当てること。いまの子どもたちを見ていると、自分がやりたいことしかしない子が増えています。Jクラブのアカデミーの場合、相手のレベルが自分たちよりも下だと、ある程度まではできるのですが、トップチームに昇格し、試合に出られなくなったときなど、うまくいかないとき、苦しいときに乗り越える術は、若いうちに身につけなければいけないと思っています」

 クオリティーの高い選手が集まり、相手よりも力が上のチームであれば、個々に無理をする必要がない。できるプレー、通用するプレーをしているだけで相手を上回ることができるので、伸びしろが限られてしまう。そこを日ごろのトレーニングで向上させるのが指導者の役割なのだが、「持っている能力以上に伸びない」というケースもある。

 その中で菊原は、「選手自身の問題解決能力の必要性」を力説する。