玉田圭司が語る移籍の経緯。監督の誘いに「最初はピンとこなかった」 (3ページ目)

  • 井川洋一●取材・文・撮影 text & photo by Igawa Yoichi

──名古屋では風間八宏監督の細やかな指導を受けていたと思いますけど、手倉森監督の指導はまた新鮮ですか?

「そうですね。どちらがいいとかはないですけど、風間監督のもとで2年間やれたのは、自分の成長につながりました。そこはもちろん感謝しています。いい2年間でしたね。ただ、今度はテグさんの指導を受けることになり、これもまた自分のメリットになるはず。監督によってやり方は違いますが、どんな環境でも自分の色を出すことが一番大事です」

──名古屋では通算11シーズンを過ごしました。振り返ってみて、どんな日々でしたか?

「自分が在籍した中で最長のクラブなので、思い入れはありますけど、今はもう特別な感情はない。長崎の一員として、このチームで何かを成し遂げたい。それだけです」

──目標はやはりJ1昇格ですか?

「もちろん、そうです。ただ、クラブの知名度を高めたいとも考えている。長崎県民や長崎市民でも、(クラブのことを)知らない人がまだまだいるみたいなので。だから、県民の方たちとクラブの距離を少しでも縮めたい。少しでも多くの人にスタジアムに足を運んでもらいたい。その気持ちは強いです」

──ピッチ上のパフォーマンスで人々を魅了したい?

「当然、それが一番大事だと思います。サッカーが一番だし、チームが勝たなければ意味はない。ただ、PRも大切になるので、その努力もしたいですね」

──個人の目標についても聞きたいのですが、「数字は言わない主義」でしたね。

「はい。数字の目標は一度も立てたことがないので。とにかく毎試合、チームの勝利に貢献すること。それに尽きますね」

──最年長の選手として、新しい仲間に伝えていきたいことはありますか?

「才能のある選手がたくさんいるけど、それを生かしきれていないような選手もいる。その能力をピッチでどう表現していくのか。どうすれば、より生かせるのか。そんなことも折をみて伝えていきたいですね。彼らも才能があるからここにいるわけであり、何か光るものがあるからプロになれたわけです。それをどう生かすのかは自分自身なので、その手助けができればいいですね」

──現役へのこだわりについて、ご自身ではどんな意識がありますか?

「名古屋を退団した時も、自分の中では『サッカーをやめる』という考えはまったくありませんでした。まだまだやれる自信があって、実際にすぐ長崎が声をかけてくれて。現役へのこだわりというよりも、自分を欲してくれるクラブがあるかぎり、やりたいと思っています」

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