日本も導入間近? JFA審判委員長に聞く
「VARでサッカーはこうなる」 (4ページ目)
そして、これも競技規則で触れられているように、多くの状況において『主観的な判断』が必要になる。とはいえ、その判断に幅を持たせすぎてはいけない。いくら主観的であったとしても、事実とは明らかに違うケースがありますよね。手に当たったと思ったら頭だったとか。
2年前のゼロックススーパーカップ(サンフレッチェ広島対ガンバ大阪)で、レフェリーがガンバ大阪の丹羽大輝選手のプレーをハンドだと思った。私も映像でそのシーンを見た瞬間、ハンド→PKは妥当な選択だと思った。でも丹羽選手はエッーと怒っている。で、よくよく映像を見たら、ボールは両手の間を抜けて頭に当たっていた。難しい状況でした。
多くの人もこの瞬間、ハンドと思ったはずです。それは主観ですけれど、事実は手に当たっていない。だとすれば修正した方が公平公正は保たれる。そう考えると、新しいテクノロジーであるVARを導入することに否定的になる必要はないと思います。主観的と言いながらも事実と違っていた場合は、訂正できる方が、公平公正を理念と精神に掲げる競技規則に見合うのではないか、と。
カメラはJ1で最低12台。多いときは20台。ピッチの隅々までカバーされています。経費的なことが解決されるなら導入した方がいい。オフサイドなんて、競馬でいうハナの差ぐらいまで求められるほど、巷には映像が溢れています。人間の限界を超えたものに関して、テクノロジーに頼るってことはあっていい、と」
――すでにVARを導入している国では、どのような成果が得られているのでしょう。
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