2018.11.16

橋本英郎は「稲本潤一ら、
えげつない同期のおかげでプロになれた」

  • 高村美砂●取材・文 text&photo by Takamura Misa

ベテランJリーガーの決断
~彼らはなぜ「現役」にこだわるのか
第6回:橋本英郎(東京ヴェルディ)/前編

 1998年、ガンバ大阪のアカデミーからトップチームに昇格した。「79年組」と注目された黄金世代のひとりではあったものの、プロとしてのキャリアは大学に通いながらの”練習生”としてのスタート。それゆえ、当時の仲間も、指導者も、「まさか日本代表になるとは、思ってもみなかった」と声をそろえる。

 だが、周囲の予想をいい意味で裏切り、橋本英郎は着実にキャリアを積み上げ、日本代表入りを果たし、今もまだボールを蹴り続けている。プロとして21年目。「とにかく、サッカーをやるのが楽しくてたまらない」と屈託なく笑う39歳の今に迫る――。

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「79年組」――いわゆる「黄金世代」という呼称は、日本サッカー界では1979年4月〜1980年3月に生まれた選手を表現する際によく聞く言葉だ。

 1994年のU-16アジアユース選手権カタール大会での優勝や、1999年のU-20W杯ナイジェリア大会での準優勝に伴って定着するようになり、小野伸二(コンサドーレ札幌)、稲本潤一(コンサドーレ札幌)、遠藤保仁(ガンバ大阪)、小笠原満男(鹿島アントラーズ)、高原直泰(沖縄SV)、中田浩二、加地亮ら、その世代には名だたる選手が顔をそろえる。

 現在、東京ヴェルディに在籍するMF橋本英郎もそのひとり。今年でプロ21年目を迎えている彼の、ガンバ大阪時代に代表される実績や、日本代表としてのキャリアを鑑みれば、「79年組のひとり」として称されることに、異を唱える人はいないはずだ。

プロとして21年目を迎えた橋本英郎 だが、橋本が「79年組」だと自覚するようになったのは、20代も後半に差しかかってから。ジュニアユース時代から在籍していたガンバ大阪には、同期に稲本や新井場徹らがいたが、アカデミー時代は彼らの存在すら遠く、先に挙げた世界を舞台にした戦いも、橋本には別次元の話だった。