2018.10.11

スペインの師匠が弟子のリージョを語る。
「彼には特別な能力がある」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Fujita Masato

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「自分はサッカーを教えることで、サッカーを教えられてきたと思っている。ディスカッションすることによって、知識は向上する。その意味で、ファンマ(フアン・マヌエル・リージョ)は”最高の教え子”だった」

ベンチで戦況を見つめるフアン・マヌエル・リージョ(ヴィッセル神戸監督) そう語るミケル・エチャリ(72歳)は、かつてスペインの指導者養成学校の教授を務め、ヴィッセル神戸を率いるリージョ(52歳)の”師匠”にあたる。また、2人はレアル・ソシエダ時代、強化担当と監督という立場で、2シーズン、昇格を懸けてともに戦っている。その信頼関係は想像を超えたものがある。

 エチャリは50年以上、プロフェッショナルのサッカー界を生きてきた。監督としても、地方のユースを全国リーグにまで昇格させ、90年代にはエイバルを2シーズン、2部に残留させた。サンセ(レアル・ソシエダBチーム)では、ホセバ・エチェベリア、ハビエル・デ・ペドロ、アグスティン・アランサバルなど、後にスペイン代表に上り詰める選手を輩出している。

 そのエチャリが、リージョには監督としての生来の才能があるという。

「ファンマには、自分にも他の多くの指導者にもない能力がある」

 師匠から見て、”教え子”リージョは日本で成功を勝ち取れるのか?

「戦術がチームに浸透するには、どうしても1カ月から1カ月半はかかるだろう」
 
 エチャリはそう言って、碧い目を光らせた。話を聞いた時点で、リージョ神戸は浦和レッズに4-0、鹿島アントラーズに0-5と大敗を喫していた。