J1昇格ライセンスのない町田ゼルビア。それでも4位のモチベーション (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Naoki Nishimura/AFLO SPORT

 好調だった一昨季にしても、最終的にプレーオフ進出圏外の7位に終わったのはモチベーションに差があったからだと見るのは、あまりに意地の悪い見方だろうか。

 とはいえ、現実から目を背けても話は前に進まない。相馬監督は目の前の事実は事実として受け止めたうえで、「6位以内」という目標を掲げ、選手とともにその達成を目指している。

 なぜ6位以内なのか。

 もちろん、それがJ1昇格のための最低基準(J1昇格プレーオフ進出圏内)であることがひとつの理由ではあるが、単なる"目安"で、それが掲げられているわけではない。

 指揮官が言う「6位以内」が意味するものは、「J1にチャレンジするにふさわしいチームになっていこう」ということであり、「J1のスタンダードに少しでも近づこう」ということだ。相馬監督は厳しい現在の状況についても、「自分たちが近い将来J1へ上がったときに、まったく歯が立たなかったではなく、少しでも爪痕を残したり、継続して残留したりできるようなベースを作る時間をもらっていると思っている」と、前向きにとらえる。

 もちろん、長い目で見れば見るほど、「ベテランの選手たちなんかは、本当に自分がJ1で戦えるかどうかわからない」という現実もある。それでも、「彼らは、そのための礎(いしずえ)を作るという気持ちを持ってやってくれていると思う」と、相馬監督は語る。

 実際、名古屋グランパスから期限付き移籍で今季新加入したMF杉森考起は、「(ベテランの選手から)アドバイスもしてもらえるし、プレーしやすい。チームの目標である6位以内にいるので、雰囲気はすごくいい」と口にする。

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