2018.02.22

レイソル、痛恨のドロー。
「町の中華料理屋さん」の豪華シェフに被弾

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 窪田亮●撮影 photo by Kubota Ryo

 近年、ACLの舞台において、中国勢は日本のチームにとってもっとも警戒すべき存在となっている。最大のライバルと言えるのが、爆買い中国の象徴――広州恒大だろう。現在はファビオ・カンナヴァーロ監督が率いるこのチームはこれまでにも数多くのビッグネームを擁し、2013年と2015年の2度、アジアの頂点に立っている。

終了間際に同点弾を決められて愕然とする柏レイソル ほかにも昨年までFWカルロス・テベスが所属していた上海申花や、山東魯能、北京国安あたりが日本でもお馴染みのチームだろう。MFオスカルやFWフッキを擁して昨年のACLで浦和レッズと死闘を演じた上海上港も、近年はその名声を高めつつある。

 しかし今回、柏レイソルと対戦したのは、ちょっと聞きなれないチームだった。

 天津権健(てんしんけんけん)。

 どこか町の中華料理屋さんを思い起こさせる響きのこの中国のチームは、知名度から言えば、それほど脅威には映らないかもしれない。もっともメンバーリストを見れば、なるほどと唸(うな)らされた。

 アフロヘアのベルギー代表MFアクセル・ヴィツェルや、ケルンでFW大迫勇也と同僚だったフランス人ストライカーのFWアントニー・モデストがスタメンに名を連ね、ベンチには元セレソンのFWアレシャンドレ・パトが控える。

 そしてこのチームを率いるのは、パウロ・ソウザである。バーゼルやフィオレンティーナで指導者として実績を積んだ元ポルトガル代表の名手が、今季よりこのチームを指揮することになったのだ。

 天津権健の歴史は浅く、クラブ創設は2006年。昨年、初めて昇格した中国超級リーグ(1部)でいきなり3位となり、ACL出場権を獲得した。豊富な資金をバックに急激に力をつけてきた新興クラブのひとつと位置づけられる。つまり、町の中華屋さんとは大きくかけ離れた、新たな「爆買い軍団」だったのだ。

 もっとも、そのタレント力とは裏腹に、天津権健は決して破壊力を備えたチームではなかった。立ち上がりから主導権を握ったのは、柏のほうだ。