グランパス入り濃厚な元ブラジル代表ジョーは、波瀾万ジョーな凄いヤツ (3ページ目)

  • 沢田啓明●文 text by Sawada Hiroaki photo by AP/AFLO

 ところが、「夜の帝王」ロナウジーニョとピッチ外でも親交を結んだことから、飲酒と夜遊びの悪癖がぶり返す。愛想をつかした妻に離婚を切り出されて、またヤケ酒を飲む、という悪循環。2014年W杯にも招集されたが、いいところがなかった。

 大会後、気落ちしてさらに生活が乱れ、2015年6月、当時、アトレチコ・ミネイロを率いていたレヴィー・クルピ(元セレッソ大阪監督。2018年はガンバ大阪監督に就任)から戦力外を言い渡されてしまう。

 その後、UAEのクラブを経て、2016年2月、中国リーグの江蘇蘇寧に入団。しかし、ここでも精彩を欠き、5カ月で退団する。突出した才能を持ちながら私生活の乱れで何度もキャリアを台無しにしたことから、「第2のアドリアーノ」と呼ばれた(アドリアーノは、2000年代中盤にインテルとセレソンで圧倒的なパワーでゴールを量産して「インペラトーレ(皇帝)」と呼ばれた巨漢CF。父親を亡くしたショックから酒に溺れ、30歳で表舞台から姿を消した)。

 ところが、彼は"アドリアーノ"にはならなかった。妻の勧めでキリスト教福音派の教会に通うようになり、以後、酒を断って妻とも復縁。2016年末、古巣コリンチャンスと2年契約を結ぶと、心機一転、フィジカルトレーニングに励んでコンディションを取り戻す。

 前述のように、ブラジルリーグでは34試合に出場して18得点をあげて得点王となる活躍で優勝の立役者となり、MVPにも選ばれた。

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