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セレッソ大阪にも「二刀流」。
山村和也がマルチに働き、元日の大舞台へ (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO SPORT

 ただし、この試合に関して言えば、山村の存在価値はリーグ戦以上に大きかったに違いない。というのも、天皇杯はリーグ戦と違い、延長戦があり、120分間の試合を想定して進めなければならず、加えて対戦相手の神戸には、FWハーフナー・マイクという必殺の飛び道具がベンチに控えていたからである。

 実際、延長前半にセレッソがリードした直後、神戸はハーフナーとFW大槻周平を同時に投入し、パワープレーで勝負に出ている。だが、セレッソは決勝点につながるPKを獲得した時点で、「このPKが決まったら、3バックになるというのは、(右サイドバックの松田)陸を通して(尹晶煥監督から)聞いていた」と山村。まったく慌てることなく、勝ちパターンに持ち込んでいる。

 もちろん、山村のような選手を擁していなくとも、リードした時点で控えのセンターバックを投入し、同じような守備固めを行なうことは可能だろう。

 しかし、通常のリーグ戦とは異なり、延長戦がある天皇杯では選手交代のタイミングが難しい。120分間の試合となると、疲労や負傷によるトラブルがリーグ戦以上に起きやすく、安易に交代カードを切ってしまえば有事に対処できない。だからといって、慎重になり過ぎれば、せっかくの勝機を逸しかねない。

 それだけに、「グラウンドの11人がいろいろなポジションをできることはすごくいいこと」と、尹晶煥監督。そして韓国人指揮官は、改めて話すまでもないとでも言いたげに、「これまでも山村の活躍については話してきたが」と前置きしたうえで、こう語る。

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