長谷川健太に再建を託すFC東京。16歳・久保建英はどう使われるのか

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by YUTAKA/AFLO SPORTS

 2017年シーズン、FC東京は18チーム中13位で終わっている。サッカーは結果がすべてではない。しかし、結果以上に、その内容は寂しいものがあった。

「何をしたいのか、わからない」

 目玉選手として今季やってきた大久保嘉人は第5節、サガン鳥栖に引き分けた後、ミックスゾーンでそう洩らし、イラついていた。一時は3-1とリードしたが、後半43分、アディショナルタイムと立て続けに失点して追いつかれている。その悔しさもあったのだろう。しかし歯がゆさともどかしさは、この時点でほとんど怒りに近いものとなっていた。

 実は開幕2試合は連勝スタートで、その後も白星は先行していた。にもかかわらず、大久保は言ったのだ。

「勝ってるだけ。どうして勝ったのかわからない」

 大久保の資質と言える勝ち気は空回りしていた。苛立つ様子は今シーズンのFC東京を象徴しているようだった。

第33節広島戦でJ1デビュー、最終節ガンバ大阪戦にも出場した久保建英第33節広島戦でJ1デビュー、最終節ガンバ大阪戦にも出場した久保建英 結局、FC東京はプレーモデルを見出せていない。9月には篠田善之監督が解任され、その後を率いた安間貴義監督も光明を見出せずに去っていった。前線は早くボールがほしいと要求するが、最終ラインは上がらず、選手同士の距離が遠い。結果としてボールはつながらず、セカンドボールは拾えず、プレスもかからなかった。終盤に採用した3バックは混乱を増しただけだ。

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