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高校サッカーの新鋭が強豪校を連続完封。
U-16大会をデータで解析 (2ページ目)

  • text & photo by Sportiva

両チームに提供されたデータスタジアムの試合データ両チームに提供されたデータスタジアムの試合データ

 試合を通じて約60%のボール支配率をキープし、特に前半15分までは70%と圧倒。それを可能にしたのは、正確なパスだ。昌平より約200本も多い473本という本数の多さはもちろんだが、各選手の技術の高さ、的確なポジショニングにより約76%という成功率を記録している。

 その中心となっていたのは、8番MFの藤田悠介だった。味方からパスを受けた本数、パスを出した本数は共に両チームのなかで最多。藤田を中心にスピーディーにパスを回し、足元だけでなく、Jリーグ1試合のチーム平均数(15本)を大きく上回るチーム27本のスルーパスでDFラインを崩しにかかった。

 静岡学園は個人の能力に優れた選手も多く、10番MF田中大晟のドリブル突破などからクロスを19本上げてゴールに迫ったが、決勝までの5試合を無失点で勝ち上がってきた昌平の守備は堅かった。自陣深くに攻め込まれても、ディフェンシブサード(D3rd:フィールドを3分割したうちの、自陣側のエリア)で成功率が85%を超えるタックルでボールを奪取。特に、大会のMVPに選ばれた14番DFの西澤寧晟は、ペナルティエリア内でのクリアが11本と、ピンチにもまったく慌てることなく完璧な対応を見せた。

 前半9分に、67番FW山内太陽の2試合連続ゴールで先制点を挙げた昌平だが、リードを守るためにガチガチに守りを固めていたわけではない。自陣深くからの組み立てが多くなったとはいえ、前方へのパスの比率は5割に近く、積極的に追加点を狙いにいった。

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