ジュビロ復帰の山田大記。ドイツ2部を生き抜いた経験で代表を目指す
9月17日、静岡・エコパスタジアム。彼はJリーグに帰ってきた。J1リーグ第26節、ジュビロ磐田対浦和レッズの一戦、終盤の84分だった。
「気負いはない」
緊張は感じなかった。アップの時間が予想以上に長かったのもあったが、なにより、ドイツで厳しい戦いを生き抜いてきたという自負があった。人になんと言われようと、3年間の挑戦にひとつも悔いはない。
「行ってこい」
名波浩監督に背中を叩かれ、「はい」と答えて自分に気合を入れた。そこでふと、気づく。振り返ってコーチに聞いた。
「どのポジションに入ればいいんですか?」
山田大記(ひろき)は中村俊輔と交代で、3年ぶりにJリーグに復帰した。
浦和レッズ戦で3年ぶりにJの舞台に復帰した山田大記(ジュビロ磐田) 山田は2014年7月から3シーズン、ドイツ2部のカールスルーエで過ごしている。2013年に日本代表に入ったが、ブラジルワールドカップ出場を逃していたこともあるだろう。「自分が試合に出られないような」ヒリヒリする感覚を求めての海外挑戦だった。
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