監督交代で勝ったFC東京への疑問。
ところで来季はどこへ向かうのか (2ページ目)
その後、ヴァンフォーレ甲府時代には、革新的な攻撃サッカーを展開する大木武監督のもとでコーチを務め、自らが監督となってからもそのスタイルを引き継いだ。カターレ富山を率いたころも、結果こそ出なかったものの、ポゼッションを重視した攻撃スタイルで魅力的なサッカーを展開していた。
篠田監督率いる今季のFC東京は、簡潔に言えばトランジション型だった。攻守の切り替えを徹底し、ボールを奪えば素早くシンプルに相手ゴールに迫る。間断なくトランジションを繰り返すサッカーは、よりフィジカルが重視され、比較的ベテランが多く、個人スキルの高い選手が揃うFC東京には不向きと思われた。そして案の定と言うべきか、戦力に見合った結果を出せず、シーズンの終了を待たずして解任の憂き目にあっている。
一方で安間監督のサッカーは、あらゆるエリアで数的優位を作り、ボールを保持する時間をいかに長くできるかが求められる。監督交代からわずか1週間、ある意味で対極なスタイルをFC東京はどこまでピッチ上で表現できるのか――。この試合の焦点は、まさにその1点に尽きた。
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