「守備に自信」で墓穴のドロー。
F・マリノスに逆転優勝の目はあるか
「どちらもチャンスを作って、正当な結果だった」
試合後、横浜F・マリノスのエリク・モンバエルツ監督は語っている。豪雨の中、選手たちが健闘したことは間違いない。しかし、逆転優勝には勝利が不可欠の一戦だった。88分、直接FKから柏レイソルに追いつかれた。
なぜ、横浜は勝ちきれなかったのか?
柏レイソル戦で今季初得点となる先制ゴールを決めた齋藤学(横浜F・マリノス) J1リーグ第26節、日産スタジアム。5位の横浜F・マリノスは本拠地に3位の柏レイソルを迎え撃った。首位、鹿島アントラーズにこれ以上引き離されないためには、両者ともに勝利が必要なゲームだった。
台風18号の影響で豪雨に見舞われたものの、ピッチの水はけが抜群によく、悪影響は出ない。前半、流れをつかんだのは横浜のほうだった。
「前半は立ち位置が決まらなかった」(柏・大谷秀和)
柏のプレスがはまらない。大谷が獅子奮迅の働きで穴をカバーするが、チームとしてはどこかちぐはぐなまま。ボールを動かされると、距離感がバラバラになってしまう。
前半9分だった。横浜FMはセンターバックのパク・ジョンスが、ひとつ前へポジションを上げた左サイドバックの山中亮輔に斜めのパスを送る。なんでもないプレーに映ったが、柏の右MFが背後を取られ、それに焦った右サイドバックが前に出てしまい、バックラインにギャップが生み出される。スペースを得た山中はアーリークロスを選択。一度はセンターバックにブロックされるも、こぼれ球を齋藤学が拾い、落ち着いて右上隅にねじ込んだ。
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