ラモス、カズ...夢舞台を手作りした
永井秀樹「引退試合」ドキュメント (5ページ目)
でも、もし幼稚な考えしかできなかった20代の頃に引退していたら、ほんと、薄っぺらい人間になっていたと思う。さまざまなクラブ、いろいろな環境で過ごしたことで、サッカーに限らず、さまざまな人たちと出会い、いろいろな経験を通して、たくさんの"学び"を得ることができた。
(40代になると)『まだ現役を続けるの!?』とか、周囲からはいろいろと言われたけど、(現役を)長く続けて得た経験は、今の自分にとって、ものすごく役に立っている。かけがえのない"財産"だね」
四半世紀に及ぶプロサッカー人生で得た、このうえない"財産"。永井はそれを、ヴェルディの未来を託された若い世代に伝えたいと考えていた。
8月14日、時刻はまもなく18時30分――。
日本を代表する往年の名選手たちと、「最強軍団」と呼ばれたヴェルディの主軸メンバーが、Jリーグ公式テーマソング、『J'S THEME』のBGMに導かれてピッチに入場し始めた。
緑のユニフォームを着たラモス、カズ、武田、北澤、そして永井......。ヴェルディサポーターが身震いするような超豪華メンバーである。
そんなレジェンドたちの最後列には、澤井直人(22歳)、井上潮音(20歳)という若き緑の戦士の姿もあった。
(後編につづく)
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