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まだ「ペトロビッチの遺産」頼み。
浦和レッズは混迷から抜け出せず (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Etsuo Hara─JL/Getty Images

「1点リードは頭に入れ、守備のオーガナイズはできていました。90分間プレスに行くわけにいかないので、そこは消耗を考えて。退いてブロックを作ったりしていました」(浦和・遠藤航)

 しかし66分、守備は唐突に崩れる。自陣でのFKで、(槙野智章が前節退場で)急遽、左センターバックを担当した宇賀神友弥が遠藤へ横パス。これがそのまま相手FWに渡って、マテウスに左足で放り込まれる。「連係ミス」というよりは、初歩的で重大なミスと言えるだろう。遠藤は目線をボールから切って、バックステップを踏まず背まで向けてしまっている。これはディフェンダーとしてあるまじき失態だった。

 浦和はこの直後、サイドチェンジの大きな展開から菊池が1対1を挑み、左サイドから鋭いクロスを入れると、GKが弾いたところを詰めていた柏木陽介が押し込んでいる。その攻撃は、やはりペトロビッチ監督時代から積み上げた形だった。サイドアタックは再び、浦和に希望を与えた。

 ところが終盤の88分、浦和は腰が引けてしまう。

「コンパクトな守備を心がけ、声を掛け合ってできていた。ただ、終盤はパワーを入れられて、守りきれなかった」(浦和・堀監督)

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