鹿島の個の力に屈すも、柏レイソルはこの敗戦でもっと強くなるだろう (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 流れを変えたのは、個の力だった。1点ビハインドで迎えた53分、ここまで相手のマークに苦しんでいた金崎が左サイドでボールを受けると、中に切れ込んで豪快に右足を振り抜く。強烈な一撃はコースこそ甘かったものの、日本代表にまで上り詰めた若き守護神GK中村航輔の手をすり抜けてゴールに突き刺さった。

 さらにその3分後には、MF永木亮太の「狙ったわけではない」フリーキックが絶妙なコースに飛び、幸運な形で逆転に成功。すぐさまクリスティアーノに同点ゴールを奪われるも、72分に今度はペドロ・ジュニオールが圧巻の個人技からゴールを突き刺してふたたび勝ち越すと、その後は粘り強く対応しながらしたたかに時間を使って、3-2と逃げ切った。

 これで鹿島は、大岩剛監督が就任して以降、4連勝を達成。序盤戦は苦しんだ昨季のリーグ王者が、ようやく本領を発揮してきた印象だ。

「(前半に)1失点しましたけど、ヤバいなという感じはなかった。(ハーフタイムに)監督も『失点以外は問題なかった。これを続けていけば必ず逆転できる』と言ってくれたし、それを信じた結果。この勝利はかなり大きいと思います」

 そう振り返ったのは、日本代表センターバックのDF昌子源だ。とりわけ、逆転直後に追いつかれながら再度突き放した展開に、この勝利の価値を見出していた。

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