人材難の日本代表SB。「堂安律のコンバート」を福田正博は提案する (4ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 各クラブでの育成が難しい状況で、日本代表としては別のポジションでプレーする選手をSBとして育てることも視野に入れなければならない。その際には、守備能力が高い選手の攻撃力を鍛えるよりも、攻撃に長けた選手に4バックの守備を教えることが近道になるのではないか。

 守備を得意とする選手に攻撃力を身につけさせるのは、タイミングや技術面で多くの課題があるため大きな成長は望めない。だが、かつての内田がそうであったように、守備は経験を積むことで伸びるものだ。

 世界的に見ても、鹿島でのプレー経験もある元ブラジル代表のレオナルドは、もともとトップ下の選手だったが、優勝した1994年のW杯アメリカ大会には左SBとして出場している。持ち前のテクニックを活かして左サイドからの攻撃を司(つかさど)り、1998年のW杯フランス大会では本職のMFに戻ってチームを準優勝に導いた。

 レオナルドだからこそSBでも活躍できたのかもしれないが、攻撃的なポジションに人材が揃っている日本代表も、これに倣(なら)ってみてはどうだろうか。これはあくまで一案だが、ガンバ大阪からオランダ1部リーグのフローニンゲンへ移籍が決まった、堂安律のSB起用を試してもいいのではないだろうか。彼は左利きでテクニックとスピードがあり、体も強い。しかし現状では、本職である攻撃的なポジションで代表の座をつかむのは容易ではないだろう。

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