理想のサッカーを追求して現在14位。ベガルタはどこまで我慢できるか (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 最下位に沈む大宮の本拠地に乗り込んだ第11節。23分に先制しながらも、60分にセットプレーから同点に追いつかれると、終了間際に大前の鮮やかな個人技に屈して被弾。1-2の逆転負けに渡邉晋監督も「逆転負けは今季初めてで、まだ正直整理がつかない」と肩を落とした。

 これまでの仙台に抱いていた印象は、堅守速攻のチーム。手倉森誠監督に率いられた2012年もこのスタイルで躍進を遂げ、悲願の初優勝にあと一歩と迫った。ところが2014年途中から指揮を執る渡邉監督は、ポゼッションを高めて主導権を握る戦いを志向。毎年のように残留争いに巻き込まれながらも、何とか踏みとどまり、スタイルの成熟に力を注いできた。

 今季はそのスタイルをより強調すべく、これまでの4バックから3-4-2-1にシステムを変更。攻撃では最終ラインからしっかりとボールをつなぎ、守備では高い位置からプレッシャーをかけて、相手陣内でのプレー時間を増やすという狙いを持つ。キャプテンを務めるMF富田晋伍は「一番やりたいのは、敵陣で自分たちがボールを握り続けるサッカー」と、理想のスタイルを掲げる。実際に今季の仙台はボールを大事にするサッカーを体現し、ポゼッションで相手を上回る試合が増えている。

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