原口元気が刺激。レッズ関根貴大の1人2役プレーに「オォー」と唸る (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

「ゴールとアシストをもっと増やすこと、あと、これまで以上に走ることを意識していますね。もっと怖さを見せないと、って思うんです」

 目に見える結果と走力のアップを強く意識させたのは――槙野も言うように――浦和のアカデミーの先輩である原口の存在だ。

 かつて「突貫小僧」といった勢いでドリブルを仕掛け、浦和の攻撃陣を引っ張った原口は、ドイツに渡ってからプレースタイルを進化させ、ハードワークを厭(いと)わないサイドアタッカーへと変貌を遂げた。

 昨年12月、関根はドイツを訪問している。原口のプレーや原口との会話から刺激やヒントを得ることが目的だったが、ヘルタ・ベルリンの試合を観戦して、改めてヨーロッパでプレーすることの難しさを感じたという。

「元気くんはあんなにがんばって守備をして、あんなにハードワークして、あんなに何度も裏を狙っているのに、ボールが出てくるのは数えるほど。それに、出てくるボールも厳しいものばかり。浦和の場合、周りにうまい選手が多いから、自分が裏を狙えばボールが出てくる。そう考えると、元気くんの凄さがわかる。自分がもしドイツに行けたとしても、そんなに強いチームには行けないと思うから、そういう中でどれだけもがいてやれるか......」

 Jリーグで圧倒的なプレーを見せなければ、ヨーロッパや日本代表への扉は開けない――。そんな強い思いが、関根を突き動かしている。

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