2017.04.20

まずはサルガド。子供たちの指導に
「銀河系軍団」を呼ぶ男は何者か?

  • 栗田シメイ●文・写真 text & photo by Kurita Simei

日本サッカーの発展へ、自らの想いを語る稲若氏 そんな稲若の経歴は少し異色だ。「決して優れた選手ではなかった」と本人が振り返るように、藤嶺学園藤沢高校時代は、プロからの声が掛かるような選手ではなかった。卒業後に単身でアルゼンチンに渡って自身で各クラブのテストを受け、紅白戦でハットトリックを決めるなどの活躍を見せて2部のクラブとの契約を勝ち取った。

 その後、愛媛FC、アルゼンチンの4部クラブ、栃木SC、矢板SCと渡り歩き、2009年に現役を引退する。ここまでの経歴は、サッカー界のレジェンドたちを招聘する「荒業」をやってのけるような人物には思えない。

 しかし、稲若の真価はセカンドキャリアの形成にある。まだ選手としてプレーをしていた2007年、サッカー留学やスペイン語の通訳を事業とした現在の会社を設立。アトレティコ・マドリード、エイバルなどスペインのクラブや、アルゼンチンのクラブとのライセンス契約を続々と成立させ、現在、年間600人程度の選手たちが稲若のもとから海を渡っている。