名将が変えたヴェルディ。
バルサっぽくないスタイルにJ1昇格の予感 (2ページ目)
実際に試合自体は、実に見応えのあるものだった。立ち上がりに主導権を握った東京Vが16分にFW安西幸輝のゴールで先制すると、この失点で目が覚めた湘南が反攻を開始。21分にMF菊地俊介、33分にFWジネイがゴールネットを揺らし、あっという間に逆転に成功する。勢いに乗った湘南は、後半早々にもセットプレーからふたたび菊地が決めて2点差に。これで勝負あったかに思われた。
ところが、ここから東京Vが怒濤の反撃に出る。途中出場のFW梶川諒太が鋭いドリブルで湘南守備陣に揺さぶりをかけると、安西やFWドウグラス・ヴィエイラがあわやというシュートを放つ。終了間際には波状攻撃を仕掛け、最後はMF安在和樹が豪快なミドルを突き刺して1点差に。直後にタイムアップの笛が鳴り、湘南が逃げ切りに成功したものの、両者ともに高いインテンシティ(強度)を保ったエキサイティングな一戦だった。
成熟度という点では、やはり湘南が上だった。曺貴裁(チョウ・キジェ)監督が率いて6年目のチームは、主力の流出にあいながらも若い力の台頭をうながし、今年も「湘南スタイル」を変わらぬクオリティで実践している。攻撃性と積極性に満ちた湘南が今季の昇格候補のひとつであることは間違いないだろう。
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