蔚山現代を圧倒した鹿島。もはや「韓国コンプレックス」はなくなった (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 それでも、難しいとされる大会の初戦で鹿島が危なげない戦いを実現できたのは、彼らが備える伝統の勝負強さに加え、濃密な時間を過ごした昨季末の経験も大きいだろう。「クラブワールドカップを経験しているので、そんなに特別感はなかった」と永木が振り返ったように、重要な一戦においても鹿島の選手たちは平常心で臨めているようだった。

 一方で、この試合では一種の違和感も覚えた。それは日韓のサッカーの立ち位置だ。「韓国コンプレックス」というものは、ひと昔前の話ではあるものの、過去のACLを振り返っても、やはり日本勢は韓国勢に対して苦手意識があったように思う。

 実際に昨年のこの大会では、出場した4チームすべてがグループステージで韓国勢と同居し、対戦成績はサンフレッチェ広島が1勝1敗、ガンバ大阪は1分1敗、浦和レッズも1分1敗、FC東京は2敗という成績だった。浦和はラウンド16でも韓国のFCソウルと対戦し、1勝1敗ながらPK戦の末に敗れている。

 個人的な話をすれば、最近偶然、元日本代表選手にワールドカップのアジア予選に関する話を聞く機会があり、サッカー界における日本にとっての韓国は、やはり特別な存在であることを再認識したばかりだった。

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