阿部勇樹「すべてはレッズのため。レッズでサッカー人生を終わらせたい」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 30代半ばになれば、選手はいろいろなことを考えるようになる。しかし、近年のJリーグは、阿部と年齢が近いベテラン勢の活躍が目覚ましい。昨季も、36歳の中村憲剛(川崎フロンターレ)がJリーグのMVPを獲得。37歳の小笠原満男は、チャンピオンシップ、クラブW杯などで奮闘し、鹿島アントラーズの躍進に絶大な貢献を果たした。

「憲剛の活躍は刺激を受けた。他にも、ボンバー(中澤佑二/横浜F・マリノス)、シュンさん(中村俊輔/横浜→ジュビロ磐田)、ヤットさん(遠藤保仁/ガンバ大阪)、ナラさん(楢崎正剛/名古屋グランパス)とか、(日本代表でも)一緒に戦ってきた年上の選手がまだまだ元気にやっているし、そういう選手がしっかりプレーしている間は、自分も負けていられない。

 上の年齢の選手は、試合に出るための準備もしっかりやっている。だから、あれだけ長く、素晴らしいパフォーマンスを見せることが可能なんだと思う。そして、そういう人たちが僕自身を高めてくれる。(その姿を見て自分も)もっとやらないといけないって思いますもん」

 Jリーグで奮起しているベテラン勢の活躍が、阿部にプレーする活力と刺激を与えてくれている。それに応えるように、阿部もレッズの若手に何かを残したいと思っている。それが、レッズで優勝を目指すことと同じくらい、彼のやりがいになっている。

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