昨季の報われぬ思い。浦和レッズ・阿部勇樹「今度は年間1位で優勝」

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

浦和レッズ・阿部勇樹インタビュー(前編)

「悪いシーズンではなかった」

 2016年シーズンを振り返って、阿部勇樹はそう語った。

 チャンピオンシップでは鹿島アントラーズに敗れたものの、浦和レッズはリーグ戦で勝ち点74を積み上げて年間勝ち点1位となり、阿部がシーズン当初に掲げた目標の、勝ち点72を上回った。さらに、ルヴァンカップを制し、10年ぶりにタイトルを手にした。

 しかし、阿部の中では引っかかっているものがあるという。

昨季はJ王者を逃して「悔しさは残っている」と語る阿部勇樹昨季はJ王者を逃して「悔しさは残っている」と語る阿部勇樹「1年間を通してレッズの戦いは悪くなかった。ミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ監督)も、『悔しい思いをした次のシーズンは、いい成績を残し、いいシーズンを送れる』と言っていたけど、実際にルヴァンカップを獲れたし、(リーグ戦では)年間勝ち点1位にもなった。1年ごとに力が上がってきているので、そう考えると、悪くない。

 じゃあ、すごくいいかっていうと、そうは言えない。チャンピオンシップに負けたことで、すべてが台無しになるわけじゃないけど、報われない思いが強かった。レギュレーションを理解して受け入れているけど、やっぱり複雑ですよ」

 最後にタイトルがかかった試合で敗れれば、当然無冠となり、どうしてもその印象のほうが強くなる。勝ち点では上回っているのに、そのシーズンの結果さえ、無にされた感が強まってしまう。

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