遠藤航、矢島慎也ら「リオ世代」のJでの台頭なくして、W杯の勝利なし (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Wataru Kohayakawa/AFLO

 リオ世代の飛躍が期待される今季、なかには新天地へと戦いの舞台を移した選手もいる。リオ五輪の登録メンバー15名のなかでは3名だけだが、惜しくもリオ行きを逃した同世代の代表候補選手も含めれば、多くの精鋭が心機一転、身にまとうユニフォームを着替えることを選択した。

 リオ五輪では先発出場の1試合を含め、全3試合に出場したMF矢島慎也も、そんな選手のひとりだ。

 昨季ファジアーノ岡山をクラブ史上初となるJ1昇格プレーオフ出場まで導くなど、特に攻撃面で非凡な才能を示したMFは今季、期限付き移籍を終え、所属の浦和に復帰した。J2岡山では際立つ活躍を見せた矢島も、J1での実績はほとんどない。今季はまさに新たな挑戦のシーズンとなる。

「岡山で教えられた細かい地味なプレーをこなしつつも、最後はボランチからでも点を取ったりできるという、攻撃のところ(の特徴)を出したいなと思ってやっている」

 そう語る矢島は、「まだ(練習試合を)2試合しかやっていないので、(手応えを感じるのは)まだまだ」。Jリーグ屈指の選手層を誇る浦和にあって、ポジションをつかむことは決して楽なミッションではないようだ。

 しかし、裏を返せば、高いハードルを乗り越えて出色のプレーを見せることができるなら、その価値は極めて高い。与えるインパクトは岡山時代の比ではないだろう。矢島が力強く語る。

「試合に出るために戻ってきた。目標は試合に出ることなのでがんばりたい」

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