「最後までピッチにいたい」。歓喜の裏で小笠原満男が感じていた無念 (6ページ目)

  • 佐野美樹●取材・文・撮影 text&photo by Sano Miki

「そろそろ、より真剣にやりたいねって、他の選手たちともよく話をしていたんです。日程的なものもあって、だんだん参加できるJリーグの選手も少なくなってきた中で、『何かいい形はないかな』と考えたときに、東北人魂として大会を作れば、参加できる選手、参加できない選手の数にかかわらず、ずっと続けていけるんじゃないかなと思って。やっぱりこうした活動は続けていくことに意味があると思うから。

 しっかり試合で勝ち負けをつけて、子どもたちにもやるからには真剣にやってもらう。この活動の目的でもある、『東北からより多くのJリーガーを輩出する』ということを実現するためにも、子どもたちにはもっと上を目指してほしいなって思っているんです」

 そうして、開催された第1回となる『東北人魂カップ』は、宮城県の松島で、東北の小学生チームが8チーム参加して行なわれた。その最中、各チームの指導者から、小笠原はこんな言葉をかけられたという。

「実は今回、参加した指導者の方々から『2、3チーム集まって練習試合をやることはあっても、普段はこんなに多くのチームが集まる大会はなかなかないから、本当にありがたいです』って言ってもらえたんです。それは、うれしかったですね。

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