なぜか失点しない鹿島。神がかった「勝負強さ」で初のクラブW杯決勝へ (4ページ目)

  • 浅田真樹●文text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影photo by Sano Miki


 後半に入ると、アトレティコはさらに攻勢を強める一方で、少なからず焦りも見えるようになった。前半に比べて決定機は減り、ボールを保持しているわりにゴールに近づくことができなくなっていた。シュート数を見ても前半の16本から、後半は8本と半減している。それと同時に、鹿島が次第に守り慣れてきたのも確かだろう。山本が語る。

「相手のFWは体の預け方がうまいので、体をくっつけるとクルッと入れ替わられて、スピードで行かれてしまう。後半はくっつきすぎないように距離を取って対応した」

 鹿島はズルズル下がることなく、DFラインを高く保ってボールをゴールに近づけさせない。「できるだけペナルティエリアの外に追いやる守備」(山本)でアトレティコの攻撃を封じていった。

 果たして試合は、鹿島が83分、85分と立て続けに追加点。終わってみれば、思わぬ大差がついていた。石井監督が誇らしげに語る。

「クラブにとっても、日本のサッカーにとっても、新たな歴史。南米、ヨーロッパの壁は厚かったが、そこを破ることができたのは価値ある1勝だと思う」

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