もはや相手も怖がらない。遠藤保仁が語るガンバ大阪「停滞のシーズン」 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●構成 text by Sato Shun
  • 説田浩之●撮影 photo Setsuda Hiroyuki

 ガンバは初のJ王者となった2005年以降、3点取られても4点取って勝つ、という超攻撃的なスタイルを標榜してきた。しかし今や、その面影は薄れつつある。ここ最近は、どちらと言うと「堅守速攻」のイメージが強い。

「(監督が代われば)スタイルが変わるのは、当然。監督それぞれ、目指すものがあるんだから、俺たちはそれを理解してプレーするだけ。ただ、うちには"攻めて勝つ"という、これまでのクラブの伝統があって、それが(チームの)土台になっているからね。そこで、守備に比重を置きすぎてしまうと、(選手たちの中で)葛藤が生まれてしまう。もちろん、それとは逆に守りに徹するなら、完全に気持ちを切り替えてリーグ最少失点を目指すサッカーをすればいいんだろうけど。

 とにかく、監督の考えているサッカーの中で、僕ら選手は(プラスアルファーして)何をすべきか、ということが大事。いい意味で型を破っていくのは、どんな監督のもとでもやらないといけない。それで、監督が納得するぐらいのサッカーができればいいんだけど、今年はそれができなかった」

 チームというものは、毎年少しずつ上積みしていくことで、成長し、強くなる。2014年に三冠を達成したガンバだが、戦い方も、メンバーも、そのときから大きく変化はしていない。しかし、"圧倒的な強さ"は感じられず、なかなか勝てなくなった。それは、チームのピークが過ぎたことを意味しているようにも見える。

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