佐藤寿人が語る「広島愛」。ではなぜ名古屋への移籍を決断したのか? (6ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 おそらく、平坦だったはずの道を飛び出し、茨(いばら)の道を歩むこともわかっている。

「広島がJ2に降格したときとは、状況が違うことは理解しています。あのときは、監督もほとんどの選手も残ってJ2を戦うことで、1年で返り咲くことができた。一方、名古屋は変えていかなければならないことのほうが多いと思うし、そのなかで、1年でJ1に戻らなければならないというのは、難しいということもわかっています。広島で引退していれば、きっと批判されることなく、拍手で送り出してもらえたでしょうね。

 名古屋で結果を残せなければ、広島で引退しておけばよかったのにと言われることもわかっています。正直、これまでにないプレッシャーは感じていますし、期待に応えなければならない使命感も感じている。でも、その重圧があるからこそ、選手としてもう一度、自分を奮い立たせることができるのかなって。これまでも自分は、ゴールを決めることで評価されてきた。最後までそうあり続けたいなって思います」

 そして、まるで広島のサポーターたちに謝るかのように話してくれた。

6 / 7

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る