J2最下位のツエーゲン金沢。横浜FC戦の勝ち点1に希望は見えたか (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images

 ところが、である。選手個々のポテンシャルが高くなる一方で、実績のない集団だからこその泥臭さや、がむしゃらさは薄れてしまった。なかなか1勝目を挙げることができず、第6節からは5連敗。開幕からの悪い流れに決定的な歯止めをかけられないまま、ここまで来てしまった印象だ。

 結局、金沢は最下位のまま、J2最終節(第42節)を迎えることになった。

 順位は屈辱的な最下位。すでにJ3降格が決まっていれば、精も根も尽き果て絶望的な気分になっていたかもしれない。あるいは、意外と来季へ向けて気持ちは切り替わっていたかもしれない。

 だが、金沢は違う。苦しい状況に立たされてはいるが、幸いにもまだ何も決まってはいないのだ。チームを率いる森下仁之監督も、落ち込んだ様子をまったく見せず、しっかりと前を向いて語る。

「もうひとつ(試合が)残っている。サポーターと力をひとつにして、何とか勝ち点を取って残留したい」

 22クラブで争われるJ2のリーグ戦は、最下位の22位がJ3へ自動降格、21位はJ3の2位との入れ替え戦に回る。現在の順位のままなら、金沢は来季J3へ降格だ。

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