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無念のJ2降格に想う。
それでも「湘南スタイル」を捨ててはいけない (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 いずれの失点も、防げた失点だったように思う。質のよい判断であったり、集中力であったり、というものが備わっていれば、おそらくゴールにはつながらなかっただろう。

 この日だけでなく、今季の湘南はいわゆる、「イージーな失点」が目立った。個の力であっさりとやられた失点もあれば、単純に技術的なミスによるものもあった。今季32試合で55失点はアビスパ福岡(58失点)、ヴァンフォーレ甲府(56失点)に次いでリーグワースト3位の数字。そのうち、1割でも防げていれば、降格はなかったかもしれない。

 一方で0-3となってからの湘南の戦いは、実に勇敢だった。

「自分たちのやってきたことを信じて出し切ろう!」

 曺貴裁(チョウ・キジェ)監督にハッパをかけられた選手たちは、そこから見事な反発力を見せる。縦パスからの落としを受け、3人目、4人目が飛び出す、いわゆる「湘南スタイル」がようやく呼び起こされると、後半からピッチに立ったFW長谷川アーリアジャスールとFWジネイがゴール前で違いを生み出し、77分、83分とジネイが立て続けにゴールを奪取。その後も次々にチャンスを作り出し、同点、さらには逆転も決して不可能ではないかと思われた。

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